『デルタジール』その7「ハードウェア仕様」

デルタジール基板仕様

CPU Hyperstone [Program 512kbyte] [Data 1MB]
SOUND OKI互換 [4bit ADPCM] [8kHz] [512kbyte ROMx 2] [同時発音4声] 2セット
SPRITE  [256色パレットx16 ] [同時表示数1024] [16x16pixel] [16MB]
BG [256色] [32x32CELL] [512×512 PLANE] [4MB] [3面]

当初本プロジェクトでは16bitカラーでαブレンドが出来てMIDIサンドボードが接続された基板向けに開発していたが、そもそもその基板は完成しておらず16bitカラーだとROM容量が勿体ないしMIDIボードは曲鳴らすと処理落ちしてゆっくりとしかならない、つまり、使えないハードウェアだった。それでは埒が明かないしそもそもハードウェアをちゃんと作る事のできる相手なのか確証が無かったので既に他のプロジェクトで使用していた『既に出来ている』上記スペックの基板を採用する事にしたのだ。

Hyperstoneはドイツ製CPUで設計的にもスペック的にもドリームキャストでおなじみのSH-4と似たモノで32kのスクラッチパッドがあり、データなりコードなりをそこに配置する事である部分を手軽に高速化出来るのが特徴的なCPUだ。本プロジェクトではプログラムを頑張り過ぎて最終的に512kbyteのROM容量では収まらず、データ用に1MBのROMを後から追加したような覚えがある。

サウンド概要図OKI互換ADPCMチップが2つありそれぞれ4声同時発音が出来、スペック的には同時に8声鳴らす事が出来るのだが、別バンクの波形を同時に鳴らす事は出来ないので両チップのBANK0に同じSEデータを置き、AのチップのBGMを鳴らす場合はBのチップでSEを鳴らすといった使い方をしている。SE3声BGM1声なのだ。当時は16音ぐらいあるのは当たり前だったので貧弱な構成だがこのスペックより貧弱なファミコンとかでもシューティング作れるんだからうまくやりくりすれば何とかなる。そもそもハードの修正がうまくいっていない状況なのでそういった事になった。ADPCMはX68000と同じフォーマットだったのでVOXフォーマットで書き出しヘッダを削ってROMに焼いた。しかし作ってみて分からない事があった。ROMの先頭に波形を格納するアドレスを並べて記述するのだが、そのアドレスビット数だとROM容量を使い切る事が出来ない。何故だ?チップの型番を調べてもデータシートの類が見つからないでそもそもいろいろ分からない。そこでこのチップの概要を教えてくれていた当時仕事関係でお会いする事のあった元ニチブツの方にその件を訊くと、「バンク切り替えするんだよ」と。なんだそうだったのか。さすが元ニチブツだ。必要なPort情報を教わり無事解決。そういった訳で無事ROM容量を効果的に使う事が出来たのだ。そうは言ってもROM容量が少ない事に変わりは無い。全体で10数曲入れる必要があり、そうすると1曲あたりの秒数は30秒以下になる。そこでサウンド担当のNaotoさんのセンスが活かされる事になった。以前同じプロジェクトを担当していた頃、プログラムを担当している僕のところにBGMデータきたのでゲームに入れ込んで曲を聴いていたところ、驚いた事があった。とりあえず確認だから1ループするまで聞こうと思ったら、いつループしたか気がつかなかったからだ。だれが作った曲なのかチームの人間に聞き、どういった事なのか本人に聞きに行った。その曲を作ったのがNaotoさんだった。ループする際に頭に戻らずイントロをスキップしたところにループの戻りがある作りなのだが、僕にとってそれは新鮮だった。同じ曲をずっと聴いていて飽きがこないようにしている。そんな事だったと思う。この辺りの話題はスペシャルパック同梱のCDにインタビューが収録されているのでそちらも見てもらいたい。

なんにせよそういったセンスのある人にお願い出来たので少ないROM容量でも魅力的なBGMを入れる事が出来たのである。しかしそういった仕様を実現する為、再生中にADPCMデータの途中に再生ポイントを飛ばすという事をしているので、差分データを鳴らすADPCMの仕組みと合致しない為、ループした瞬間差分が取れなくなり一瞬音が鳴らなくなっていたのだ。

とは言っても、SE3声BGM1声、ループの瞬間音が聞こえなるなるといった事に気がつけた人は少ないだろう。

SPRITEは16x16pixelサイズ普通だ。反転が無いのは不便かとも思ったが反転が必要な絵柄で無かったので大したことでは無い。しかし256colorは別だ。前に使っていた16bitカラーの基板よりはましだが、ROM容量が勿体ない。16×16サイズ全てのドットを違う色で塗ってようやく使いきれる。無駄だ。ちなみにライデンファイターズで使用している基板は64色で6ビット。256色だと8ビット、64色が表現力とROM容量の良いバランスだと思う。良い基板だ。64色にすれば同じROM容量でも約1.3倍の絵を入れる事が出来るのだ。しかし悪い話ばかりでも無い。ライデンファイターズのドット絵を手掛けていたデザイナーのこだわりが発揮され256色のパレットを無駄にする事無く有効に使う事で独特の味わいを出す事に成功している。ハードにバグがあったのも思い出した。256色の内の1色が使えなかったのだ。それをハード担当者に言うと、そんな事は無い。と。なんだとーって思って目の前でデータ作ってプログラムして、な、使えないパレットあるでしょ。VHDL直してねって言ったんだけど、結局直らなかった。期待したこちらがバカに思えてくる。同時表示数は1024枚だが800枚ぐらいを超えると画面にノイズが出るのでその位の表示枚数に抑えていた。ラインバッファに使用しているRAM速度が足りないか遅いROMを使用しているのかVHDLが甘いかそんな理由であると思うが、800程度も使えれば何の問題も無かったので気にしなかった。

BGについてはチップサイズが8×8が一般的なところ32×32で大きいなとは思ったが、きっとBGの情報を格納するメモリが少ないとかそういった理由じゃないかと推測出来る。

この基板の最大の特徴は『壊れやすい』事だ。ゲームセンターで良いコンディションでプレイ出来た人はとてもラッキー。10年経った現在プレイできる環境は皆無だろう。『壊れやすい』基板故幻のゲームなのだ。

『デルタジール』その6「ステージ内分岐」

そもそものプロジェクトは『雷電』のようなシューティングゲームを作るといったものだった。しかし、デルタジールを開発していた2001年頃には既に『雷電』をはじめとして多くの名作シューティングがあり、そのまんま作ってどうすんだよって思いもあった。そこで考えたのが敵の出現にバリエーションを持たせ難易度やプレイ時間を調整する「ステージ内分岐」だ。

敵出現の変化
ステージ1と2と4はデルタジールの特徴的なステージだ。なにが特徴的かというと敵の出現がプレイするたび変わる事だ。普通のシューティングだとスクロールに合わせ同じ敵セットが出てくるがそれだと毎回同じ展開で飽きてしまうのではないかと思った。というか、テストプレイをしている自分が飽きたのだ。そこでプレイ内容に寄って展開が変わるシステムを盛り込もうと考えた。

プレイヤーの腕前によってゲームが変わるといった発想が後の『シューティング技能検定』へと繋がるのだ。

『デルタジール』その5「特殊攻撃」

敵を破壊した際に放出される粒子を集め、アイテムゲージ上の数値の横に『OK』と表示されると、ショットボタンを長押しして『ブラックホール弾』を放つ事が出来ます。『ブラックホール弾』は敵等に触れるとその場に留まり敵弾をスコアアイテムへ変換します。スコアアップと共に緊急回避としても使える優れた武装だ。憶えておこう!

後に紹介するXIIZEALのボムバリアはこのブラックホール弾が発想の元になっている。

dz_mh d_5b_cp dz_bh_shoot
敵を破壊すると粒子が放出される 数値が50を超えるとOKと表示される 敵弾がブラックホール弾に触れるとスコアアイテムに変わる

『デルタジール』その4「ボム」

本作のボムはボタンの押す長さによって爆発するまでの距離を変える事が出来るのが特徴だ。またボタンを長押ししている最中に敵にぶつかるとその場所で爆発する。またボムボタンを押した瞬間に自機は一瞬無敵になるので危ないと思ったらとにかくボムボタンを押して危機を回避して欲しい。ナイスボムれ!

普通にボムボタンを押すと自機のすぐ近くで爆発する ボムボタンを長押しすると遠くまで飛んでから爆発する
bomb_short bomb_shoot bomb_long
bomb_button

『デルタジール』その3「パワーアップ」

パワーアップとボムそして縦画面。王道スタイルのシューティングゲーム。パワーアップアイテムを10個まで保持する事が出来、

  • 赤 ワイドショット
  • 緑 誘導ミサイル
  • 青 レーザー

それぞれ幾つ取得するかによって武装が変化するのが特徴。同じアイテムを10個取得するととても強くなる。

dz_wide_max dz_missile_max
ワイド10
ロングレンジでもショーレンジでも威力を発揮するバランスの良い武装
ミサイル10
自動追尾するミサイルに攻撃を任せ守りを万全に出来る武装
dz_laser_max dz_power
レーザー10
密集した敵を効率よく片付ける事が出来同時破壊ボーナスを狙いやすくなる武装
ワイド2
ミサイル2
レーザー6
といった武装も出来る

『デルタジール』その1「基本」

『ショットとボムがあれば良い。』王道シューティング『デルタジール』

デルタジール

2002年ゲームセンターで稼動開始したシューティングゲーム。本邦初移植!
ワイド・ミサイル・レーザーといったパワーアップとボムそして縦画面。王道スタイルのシューティングゲーム。パワーアップアイテムを10個まで保持する事が出来、組み合わせで武装を変える事が出来るのが特徴、全9ステージ。

デルタジール